米Adobe Systems Inc.と米Intel Corp.は米国時間2009年1月5日,「Adobe Flash」技術をデジタル家電向けメディア・プロセサ「Intel Media Processor CE 3100」に移植/最適化する計画を発表した(発表資料)。両社はIntel社製デジタル家電プラットフォームへのリッチ・インターネット・アプリケーション(RIA)実行環境「Adobe AIR」の移植/最適化でも協力する。最適化版の携帯電話機向けFlash動作環境「Adobe Flash Lite」に対応したCE3100は,2009年半ばには出荷を始める予定。

 両社は,CE3100に最適化させたAdobe Flash Liteと「Adobe Flash Player」を開発する。これにより,CE3100を搭載するセットトップ・ボックス(STB)や光学メディア・プレーヤ,デジタル・テレビなどの各種AV機器で,FlashベースのWebコンテンツや高精細ビデオが利用しやすくなる。

 CE 3100(開発コード名は「Canmore」)は,デジタル家電にメディア処理機能を付加するためのSoCである。高精細ビデオ,ホームシアター向け音声,3次元グラフィックスなどの処理が得意という。クロック周波数800MHz/3チャネルのDDR2メモリ・コントローラ,2つのオーディオ処理用マルチチャンネルDSP,ユーザー・インタフェース/電子番組表描画などに使える3Dグラフィックス・エンジンを備え,USB 2.0/PCI Expressに対応する(Tech-On!関連記事)。

 Adobe社はFlash技術のオープン化を進めており,パソコンや携帯電話機などさまざま機器でFlashコンテンツ/アプリケーションを利用可能とするための活動「Open Screen Project」に取り組んでいる(ITPro関連記事1/同2)。Intel社は同活動に参加するとともに,Adobe AIRの推進にも協力する方針(同3)。