調査会社の米iSuppli Corp.は,2009年の太陽光発電市場についての予測を明らかにした。それによれば,太陽電池パネルの大幅な供給過剰が響き,これまで8年連続で続いていた成長が止まる,という。

 2009年の同パネルの予想売り上げ額は129億米ドルで,2008年の159億米ドルから19.1%低下する。ただし,発電量ベースでは2008年に新規設置された3.8GWから,2009年は同4.2GWとなり,9.6%増える。

 売り上げが低下する主因は,2008年から目立ちだした大幅な供給過剰である。具体的には,2008年の供給量が7.7GW分で102%の過剰,2009年は11.1GWで168%の過剰になる見通しである。iSuppli社のSenior DirectorでPrincipal AnalystのHenning Wicht氏は「2008年のパネルの価格は1W当たり4.2米ドルだったが,2009年末には同2.5~2.75米ドルに値崩れする」と予測する。

 この価格低下の波を最も受けるのは,「パネルからウエハーまでに大きな投資を始めたばかりの中国,台湾の新参メーカー。一方で,米SunPower社,シャープ,ドイツQ-Cells社など高品質パネルで知られるメーカーは,比較的影響が少なそう」(Wicht氏)という。

市場回復は2010年後半か


 
 iSuppli社は2010年後半には,太陽電池パネルの売り上げは以前の勢いを取り戻し,年間で178億米ドルと大幅に増加すると見る。その勢いは,少なくとも2012年まで続くという。