ショッピング・センター「Mall of the Emirates」に飾ってある巨大クリスマス・ツリー。民族衣装をまとったイスラム教の人たちも,それを見て一緒に楽しんでいる。ちょうど,このとき,コーランが大きな音で流れてきた。
ショッピング・センター「Mall of the Emirates」に飾ってある巨大クリスマス・ツリー。民族衣装をまとったイスラム教の人たちも,それを見て一緒に楽しんでいる。ちょうど,このとき,コーランが大きな音で流れてきた。
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イスラム・ブロックが行われた際の表示画面。「このサイトを表示させたい場合は,所定のフィードバック用フォームに記入して提出してください」と書いてある。
イスラム・ブロックが行われた際の表示画面。「このサイトを表示させたい場合は,所定のフィードバック用フォームに記入して提出してください」と書いてある。
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 ドバイにいると,時に自分がイスラム教の国にいることを忘れてしまう瞬間がある。特に欧米タイプのホテルやショッピング・センターにいるときは,「ある瞬間」を除いては欧米諸国を旅しているのと何ら変わりはない。

 ある瞬間の一つが,一定の時間になるとモスクからコーランが大きな音で流れてくることだ。ショッピング・センター内にもモスクは当然ある。昨日もショッピング・センターで大きなクリスマス・ツリーを眺めていたら,突然,コーランが流れた。何とも不思議な感覚である。

 こちらに来る前は,さすがにドバイといえどもクリスマス行事はやらないと思っていた。その点を日本人駐在員の方に聞くと,「イスラム教は,異教徒を受け入れる寛容の宗教。キリスト教のお祝いであるクリスマスも,子供のためのイベントとして楽しむ人が多い」そうである。

 イスラム教の国にいることを再認識させられる別の瞬間もある。インターネットである。UAEを含む中東諸国では,イスラム教の戒律上,不適切と思われるWebサイトにはアクセスできないようになっている。いわゆる「イスラム・ブロック」とか「イスラム・フィルター」と呼ばれるものである。
 
 アクセスが禁止されているWebサイトやその基準の詳細は,国によって若干異なるようだが,概ね,ポルノ系など公序良俗に反するサイト,イスラエル関連のサイト,出会い系サイトなどである。以前はmixiなどソーシャル・ネットワーク・サイトも禁止されていたが,今は問題なく使えるようである。

 こうしたサイトのIPアドレスが禁止リストに登録されていて,アクセスした際にISP側ではじいているようだ。これも仕事なので,やむなくいろいろなサイトへのアクセスを試みてみたが,日本語のWebサイトでもかなり網羅的にブロックをかけているようである。(結構,むなしい作業だった・・・ぶつぶつ)

 もちろん,こうした規制には当然,抜け道も存在する。前出の駐在員氏いわく,「IPアドレスを偽装するソフトウエアを導入すれば大丈夫ですよ。でも,そのソフトウエアをダウンロードできるサイトもこちらではブロックされていますから,こちらの駐在員は日本でダウンロードしているんです」。

 なんでもっと早く教えてくれないんだ!