土曜夜のTAXトレードセンター前は大賑わい。皆,わが子の撮影に必死。中には,クリスマスのコスプレをしている子供も。
土曜夜のTAXトレードセンター前は大賑わい。皆,わが子の撮影に必死。中には,クリスマスのコスプレをしている子供も。
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TAXトレードセンターの玄関ホール。多くの客はクリスマスらしい飾り付けを背景に,夢中でわが子の写真を撮っていた。ごくたまに,製品についての説明を読んだり,係員に質問したりしているお父さんもいた。
TAXトレードセンターの玄関ホール。多くの客はクリスマスらしい飾り付けを背景に,夢中でわが子の写真を撮っていた。ごくたまに,製品についての説明を読んだり,係員に質問したりしているお父さんもいた。
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こちらは日曜朝の「Saigon Center」。既に人が集まり始めている。イルミネーションはPanasonic Vietnam社の提供と見られる。デジタル一眼レフを構えたプロの撮影屋もいた。
こちらは日曜朝の「Saigon Center」。既に人が集まり始めている。イルミネーションはPanasonic Vietnam社の提供と見られる。デジタル一眼レフを構えたプロの撮影屋もいた。
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若者に人気のデパート,「Diamond Plaza」。写真撮影している客層も家族連れより友達同士や恋人同士が目立つ。
若者に人気のデパート,「Diamond Plaza」。写真撮影している客層も家族連れより友達同士や恋人同士が目立つ。
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 ベトナム取材のため,ホーチミン市のTansonnhat(タンソンニャット)国際空港に土曜日の18時前に到着。気がつけば辺りはどんどん暗くなる。タクシーに乗り込んでホテルに向かうが,有名なバイクの渋滞に巻き込まれ,なかなかホテルにたどり着かない。運転手がクラクションを連打しつつ少しずつ前進し,「ここがアンタのホテルだよ」と降ろしてくれた時,筆者は呆然と立ち尽くしてしまった。「…は?!」

 歩道からあふれる人,人,人。ホテルの前が黒山の人だかりなのである。一体,この人たちは何をしているんだ?

 その答えの一つが,写真撮影。12月,ホーチミン市内の至るところがクリスマスに向けて電飾されている。そのイルミネーションと一緒にわが子を撮影しようという家族連れで,街があふれかえっているのである。今回の宿泊先の隣は「Thuong Xa Tax(TAXトレードセンター)」という,デパートらしきもの。Nguyen Hue通り沿いに,プレゼントを積んだソリや雪の降り積もる家々など,クリスマスの雪景色を再現したLEDの電飾がある。どうやら,ここが家族向けの一大撮影スポットになっているらしい。

 この電飾はHitachi Asia社の提供によるものらしく,同社のロゴも展示されている。デパートの正面玄関ホールでは同社の製品の展示があり,こちらも大賑わいだった。

 こうした撮影スポットは幾つかあるようだ。公園などの公共の場も電飾されているほか,民間の店舗が自分で電飾したり,他の企業スポンサーを得て電飾したりしていた。

 皆が手に持つのは,キヤノン,パナソニック,ソニーなどのコンパクト型のデジタル・カメラ。私が持参したカメラとなんら変わらない。出張前には「ベトナムでカメラなんて持ち歩いていると取られる」と言われてビクビクしていたが,この状態を見る限り,たかがコンパクト機では積極的にひったくられることはなさそうだ(置き忘れれば取られるだろうが)。

 夜,街が賑わうもう一つの理由は,日中,暑過ぎて活動できないからのようだ。これは余暇の過ごし方に限った話ではない。実際,日が暮れてから道路工事やビル工事などの作業を進める様子があちこちで見られた。TAXトレードセンターでは,家族連れが内部のあちらこちらで子供の写真を撮りまくり,閉店の22時まで大賑わいが続いていた。