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HOMEスキルアップマネジメント > 「いつ実用化する?」「複数社購買はやめるのか?」---ホンダとGSユアサの記者会見の質疑応答

「いつ実用化する?」「複数社購買はやめるのか?」---ホンダとGSユアサの記者会見の質疑応答

  • 近岡 裕=日経ものづくり
  • 2008/12/18 16:22
  • 1/1ページ
図◎リチウムイオン2次電池の合弁会社の設立に関する記者会見で質問に答えるホンダ社長の福井威夫氏(左)とGSユアサ社長の依田誠氏(右)。
図◎リチウムイオン2次電池の合弁会社の設立に関する記者会見で質問に答えるホンダ社長の福井威夫氏(左)とGSユアサ社長の依田誠氏(右)。
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 2008年12月17日,ホンダとジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)は,リチウムイオン2次電池に関する合弁会社の設立で基本合意したと発表した。この記者会見において,ホンダ社長の福井威夫氏は「現在の厳しい状況では,先進の環境技術開発をさらに加速し,魅力的な商品として顧客に提供することが生き残りのカギを握ると認識している」と主張。現時点での“最適解”であるハイブリッド車を普及させるためには,リチウムイオン2次電池技術の進化が重要であり,「電池材料など多くの分野でリチウムイオン2次電池に関する高い技術やノウハウ」(同氏)を持ち,2足歩行ロボット「ASIMO」のリチウムイオン2次電池でも実績があると,GSユアサと新会社をつくる理由を述べた。

 この記者会見における質疑応答は以下の通り。

──新しいリチウムイオン2次電池はいつ,何万個ぐらいの規模で造る計画で,当面の投資額はいくらぐらいか。そして,新しいリチウムイオン2次電池はどの車種から採用したいと考えているか。
 また,トヨタ自動車とパナソニックが「パナソニックEVエナジー」,日産自動車とNECが「オートモーティブ・エナジー・サプライ」という合弁会社を既に設立しており,ホンダは出遅れた感がある。これがハンデになることはないか。

(福井氏)投資額は資本金150億円の約半分をホンダが投資しようと思っている。いつ,どのモデルかというのは,(2009年春に発売する)「インサイト」がニッケル水素2次電池を使うという関係もあるため,この場では申し上げにくいが,1日も早くという気持ちでやっていきたいし,決して他社に遅れを採ることはないと思う。

──今回の新会社の設立をいつごろから考えていたのか。また,ホンダはこれまで複数社購買を進めてきた。この考えは今後どうなるのか。そして,燃料電池車など他の環境対応車の電池にも応用する考えはあるか。

(福井氏)ホンダとしてはさまざまな検討をこの数年間行ってきた。GSユアサとのバッテリを通した付き合いは,リチウムイオン2次電池に関しては数年前からあった。また,最新型の「ASIMO」もGSユアサのリチウムイオン2次電池を使っている。もっと昔のことを言うと,2輪車の通常のバッテリを共同開発しており,以前から会社同士としては長い付き合いがある。今回の案件は,1年ほど前から具体的な話が始まったと思っている。たまたまこのタイミングでの発表になったが,こうした経済の大変動は予想しておらず,もしこれがなくても同じ時期に発表したと思う。
 将来の展開については,当面はホンダのハイブリッド・システム
「IMA(Integrated Motor Assist)」に的を絞ったバッテリ開発を進め,短期間でものにしたい。その先の展望は,GSユアサと相談しながら進めていきたい。
 また,ニッケル水素2次電池は現在,三洋電機やパナソニックから購入しており,これはそのまま続ける。
 基本的には新会社は当然,商品競争力で世界一を目指していくが,一方ではホンダは購入する側でもある。Q(品質)C(コスト)D(納期)という観点できちんとした評価をして,購入を決定すべきであると考えている。その結果として,新会社が生産するすべての部品(リチウムイオン2次電池)をホンダが採用することになればベストだと思う。

──これまでホンダは,技術が発展途上にある電池は,複数の会社から購入した方がよいという考えで,どこか1社と組むのはもう少し先が見えてからだと言ってきた。とういことは,技術の見通しが立ったということか。

(福井氏)一般論としては,電池はまだまだ進化する余地があり,将来いろんな新しいコンセプトの電池が提案される可能性はあると思う。それはそれで期待をするが,現時点で最も現実的なのはリチウム系の電池であり,これはやはり電池メーカーと自動車メーカーが一緒になって開発するのが一番早道だと判断した。

──GSユアサは既に三菱自動車と三菱商事と合弁会社「リチウムエナジージャパン」を設立している。ホンダと設立する合弁会社とどのようなスタンスで開発を選り分けていくのか。

(GSユアサ社長の依田誠氏)今回ホンダとつくる新会社はハイブリッド車用のリチウムイオン2次電池の研究開発・生産販売(の会社)としてスタートする。一方,リチウムエナジージャパンは電気自動車用のリチウムイオン2次電池の会社だ。これらははっきりと商品が分かれている。もちろん,開発,生産,量産立ち上げも当社の中ではっきりとチームを分けて進めていく。ただし,中期的に見ればいろんな点で相乗効果が期待できると考えている。

──GSユアサとして,複数の自動車メーカーと手を組むという戦略をどのように考えるか。また,電気自動車用とハイブリッド車用のリチウムイオン2次電池を明確に分けて開発していくということだが,その違いは何か。

(依田氏)電気自動車用もハイブリッド車用のリチウムイオン2次電池も,電池メーカーが単独で開発し,自動車メーカーに「さあ,お使い下さい」と提案するタイプの商品ではない。走行モードや仕様などいろいろな条件に合わせ,いわば「特注」のように造る。すなわち,設計の段階から自動車メーカーと相談し,共同で開発しなければならない商品だ。従って,今回ホンダとハイブリッド車用のリチウムイオン2次電池を造る新会社を設立するのは,当社としては自然の成り行きだ。もちろん,これから時代が変わって違ったアプローチが出てくるかもしれないが,現状ではホンダ,あるいは三菱自動車と一緒に開発するのが最も自然な形だと考えている。
 また,電気自動車用とハイブリッド車用のリチウムイオン2次電池の違いは,前者は電池だけを動力源とするため,大きな容量が必要とされる。一方,後者では,エンジンと一緒に動力源となるため大きな容量は必要としないが,加速時の出力と減速時の電気の回生で,極めて頻繁に充/放電を繰り返す特徴がある。そのため,容量は小さくても,電気の出し入れに優れる電池が必要だ。これらは相当異なる開発を行うことになる。

──GSユアサにホンダが資本参加するという方法もあると思う。なぜ,合弁会社を選んだのか。

(福井氏)資本参加する意味はあまり感じられない。また,これは電池の新会社だから,電池メーカーであるGSユアサがマジョリティーを取り,ホンダがマイノリティーとして合弁するという形態が最も良いと思っている。

──パナソニックによる三洋電機の買収が,今回の新会社設立に何らかの影響を与えたか。

(福井氏)パナソニックが三洋電機に対してTOB(株式公開買い付け)を実施するという話は新聞で知った。それよりもずっと前からこの話は検討していた。従って,影響は受けていない。

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