シマンテックは2008年12月17日,インターネット利用経験が3年以上の国内のオンライン・ユーザーを対象に,オンライン詐欺に関する実態調査を実施,その結果を発表した。実施期間は2008年10月で,2004年以来5回目の調査となった。調査の実施および分析はヤフーバリューインサイトが担当した。

 パソコンの習熟度を,「インターネットとメールを普通に使える」「メーラーの基本接続設定ができる」などに対する質問への反応から初級,標準,上級の三つに分け,さらに年代や性別などを組み合わせて利用動向を分析している。インターネットの利用内容としては,Webページ閲覧やオンライン・ショッピングなどが上位に並ぶ傾向はこれまでと変わらなかった。今回新たに追加した動画サイトの利用は57.5%と,オークションの利用の48.6%を若干上回る結果となった。

 インターネットの利用に当たり,何を最大の脅威だと感じるかという設問に対しては,「ウイルス」という回答が35.8%で「フィッシング」や「不正アクセス」「スパイウェア」などを大きく上回った。ただ上級者ほどこうした詳細な項目を挙げる利用者が増えているという。

 商品購買の決済手段に関しては,「画面上でクレジットカード決済」が70.7%と最も多かった。これに対して「コンビニエンスストアでのお支払い」「オンラインバンキングで振込」といった項目が昨年に比べ減少しており,決済手段がクレジット・カードに集中する傾向が見てとれる。一方で詐欺や個人情報の流出の被害に遭った経験は,「ある」とした回答者が3.6%,「ひょっとしたら何か被害に遭っているかもしれない」が22.6%だった。これらの回答者に情報漏洩の経路を聞いたところ,「わからない」としたユーザーが38.9%で前回の32.9%から大きく増えたという。

 このようにインターネットを利用した犯罪の方法が多様化しているためか,防御策を「理解している」とした利用者は24.3%で前回より9ポイント低下。「被害に遭わない自信がある」または「たぶん大丈夫だと思う」とした利用者は33.3%で,前回の41.9%から8ポイント低下した。