ホンダ 取締役社長の福井威夫氏(左)とGSユアサ 取締役社長の依田誠氏(右)
ホンダ 取締役社長の福井威夫氏(左)とGSユアサ 取締役社長の依田誠氏(右)
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GSユアサの高出力型Liイオン2次電池「EH6」
GSユアサの高出力型Liイオン2次電池「EH6」
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 ジーエス・ユアサ コーポレーション(GSユアサ)とホンダは,ハイブリッド車に向けたLiイオン2次電池の製造・販売および研究開発を手掛ける合弁会社を設立することで基本合意したと発表した。2009年春ごろに新会社の設立を目指し,具体的な協議を開始するとしている。出資比率はGSユアサが51%,ホンダが 49%となるもよう。本社はGSユアサの本社内(京都市南区)に,工場はGSユアサの長田野事業所(京都府福知山市)内に新設する計画である。

 新会社が製造する電池は,GSユアサが開発した高出力型のLiイオン2次電池「EH6」をベースに,構造や電極材料などを見直して次世代のハイブリッド車に最適な性能を実現していくという。EH6は電流容量6Ahで電圧が3.7V。外形寸法は112mm×21mm×82.6mmで重さが331g。質量当たりのエネルギー密度は67.1Wh/kg,体積当たりのエネルギー密度は114.3Wh/Lである。正極材料にはCoとNiとMnのいわゆる3元系を用いている。低温特性にも優れており,-30℃でも90%の容量維持率があるという。出力特性は,SOC(充電状態)が50%で10秒出力した場合で1200W(3600W/kg)を達成しており,SOCが20~70%の間で1秒出力した場合でも1000W以上を確保している(関連記事)。

 一方,GSユアサは,電気自動車向けの高容量型Liイオン2次電池については,三菱自動車と三菱商事との合弁会社であるリチウムエナジージャパンで生産することを表明しており,ハイブリッド車向けと電気自動車向けで量産ラインを完全に切り分けることになるようだ。