東芝は,同社のNANDフラッシュ・メモリの生産拠点である四日市工場(三重県四日市市)で,2009年1月から生産調整を行うと発表した(発表資料)。同工場の生産量の約30%を削減する。世界経済の後退を受けて,メモリ・カードや携帯型メディア・プレーヤー向けを中心に需要が低迷し,供給過剰な状態になっていることから,生産調整を決めたという。

 今回の生産調整に伴い,同工場の第3,第4製造棟で稼働している300mmウエハー・ラインを2008年12月31日~2009年1月12日の13日間,第1,第2製造棟で稼働している200mmウエハー・ラインを2008年12月31日~2009年1月3日までの4日間,停止させる。その後の稼働については,市況の回復を見ながら随時見直すとする。

 四日市工場を東芝と共同運営する米SanDisk Corp.も,同工場においてNANDフラッシュ・メモリの生産調整を行うことを明らかにしている。同工場における「第3,第4製造棟のラインを2008年12月31日~2009年1月12日に停止させた後,東芝との製造合弁会社の生産量を,現在の約70%まで減産する」としている。

 加えて,東芝はシステムLSIやディスクリート半導体などを生産する工場でも製造ラインを停止させると発表した。民生機器の販売不振などが響いているという。アナログICや光半導体を手掛ける北九州(福岡県北九州市小倉北区)のラインを2008年12月25日~2009年1月18日の25日間停止させる。システムLSIを手掛ける大分工場(大分県大分市)では,300mmウエハー・ラインをメンテナンスのため,2009年1月5~6日の2日間停止させ,その他のラインを2008年12月24日~2009年1月14日の22日間停止させる。さらに,ディスクリート半導体を手掛ける姫路半導体工場(兵庫県揖保郡太子町)は,2008年12月20日~2009年1月6日の18日間停止するとしている。

年末年始の各工場の稼働状況
年末年始の各工場の稼働状況 (画像のクリックで拡大)