米DisplaySearch社は,2008年第3四半期における有機ELパネルの世界市場調査の結果を発表した(発表資料)。売上高は対前年同期比60%増,対直前期比11%減の1億4100万米ドルだった。同社によると,有機ELパネルは視野角や応答時間,消費電力,薄さなどに優れ,パネル寿命が長期化しているにも関わらず,液晶パネルとの厳しい価格競争に直面しているという。

 メーカー別の出荷枚数を見ると,台湾RiTdisplay Corp.が韓国Samsung SDI Co.,Ltd.を抜いて首位に立った。36%のシェアを占めた。2位はSamsung SDI社で,シェアは26%。同社は,有機ELパネル全体の出荷枚数ではRiTdisplay社に首位を奪われたが,アクティブ・マトリクス型パネルの出荷枚数シェアでは首位を維持している。3位はパイオニアを抜いたTDK。シェアは17%である。以下,パイオニア,台湾Univision Technology Inc.と続き,シェアはそれぞれ12%,4.4%だった。

2008年第3四半期のメーカー別出荷枚数シェア
2008年第3四半期のメーカー別出荷枚数シェア (画像のクリックで拡大)

 種類別に見ると,アクティブ・マトリクス型有機ELパネルの出荷枚数は170万枚で,直前期と比べてわずかに増加した。アクティブ・マトリクス型で最もシェアが高いSamsung SDI社の出荷枚数が直前期を割り込んだものの,シェアで2位の台湾Chi Mei EL Corp.の出荷枚数が過去最高を記録したという。一方,単純(パッシブ)マトリクス型有機ELパネルの出荷枚数は,直前期から22%減少した。携帯電話機のサブ・ディスプレイ向けの受注が減少したことが響いたという。ただし,出荷枚数が減少したのは主にモノクロ表示のパッシブ・マトリクス型パネルで,カラー表示のパッシブ・マトリクス型パネルの人気は高かったという。