三井物産は2008年12月5日,会員が同一の自動車を共同利用する「カーシェアリング事業」に参入するため,同事業運営会社「カーシェアリング・ジャパン」(CSJ,本社東京都渋谷区)を設立したと発表した。2009年1月から会員の募集と東京都内でのサービス提供をスタートさせ,順次,事業規模を拡大させる。

 日本における新車販売台数は減少傾向にある。日本自動車販売協会連合会/全国軽自動車協会連合会の調べによると,2005年の新車登録台数・軽自動車販売台数(乗用車)は474万8409台だったが,2007年は440万299台に減少している。三井物産では,近年の環境意識の高まりとあいまって,今後の自動車利用の形態は「所有」から「利用」へと変化していくと見ている。そんな状況の中で,欧米では普及の進む「カーシェアリング」に目を付けた。

 カーシェアリングは,個人や法人が自家用車や社有車を持たなくても,いつでも好きな時に自動車を利用できるサービス。CSJの共用車は,都内各地のコインパーキングなどに分散して配置する。会員はあらかじめパソコンや携帯電話機向けのWebサイトで,使用したい共用車を予約する。使用すると,共用車から利用状況が自動的に発信され,課金される。会費は未公開だが「イメージとしては携帯電話機の利用料と同じくらい」(三井物産広報)だという。

 初年度は共用車100台,5年後は1000台(売り上げ規模は年間約20億円)の事業規模を見込む。

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