コスモ石油は,横浜・大黒にある水素ステーションで,水素貯蔵圧力が70MPaの燃料タンクを備える燃料電池車に対するための増圧工事を完了した(発表資料)。2008年12月1日から燃料電池車の水素充填実証を開始している。

 燃料電池車は,ガソリン自動車並みの走行距離を実現するために,燃料電池車の水素搭載量を増やす必要がある。現在主流の35MPaの燃料タンクから70MPaへの増圧は,走行距離を伸ばすために有効な手段とされており,既に米国・ドイツでも70Mpaの水素貯蔵システムに対応した燃料電池車と水素ステーションを利用した公道試験が始まっている。

 今回の実証実験は,経済産業省の「燃料電池システム等実証研究」の一環である「水素・燃料電池実証試験」(JHFCプロジェクト)として行った。関東圏にある4ヵ所の水素ステーションを70MPaに対応させる予定があり,その一つが横浜・大黒の水素ステーションで,岩谷産業の協力を得ている。同ステーションでは35MPaの水素タンクの充填も従来通り実施できるという。