SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)は,2008年および2009年の半導体の生産能力の伸びが,2002年以来最も低い水準にとどまる見通しと発表した(発表資料)。世界の半導体工場の生産能力の伸びは2008年に前年比5%増,2009年に同4~5%増となる見込み。2003~2007年は前年比で2ケタ程度か,それ以上の伸びで成長してきたが,2008年および2009年は大きく落ち込むことになる。世界経済の先行きの不透明感が,生産能力の拡大を鈍化させているという。

 2008年の半導体工場の建設費は,前年比で41%減少する見込み。プロジェクトの延期などが響いているとする。SEMIによれば,2009年に工場建設費が増加する地域は日本と米州のみ。この伸びを牽引するのは,東芝やパナソニック,東芝と米SanDisk Corp.との合弁会社であるFlash Alliance社などという。2009年の半導体設備への投資額は,2003年以来の最低水準になるとみる。

 ファウンドリーでは,2008年第4四半期の稼働状況が2002年以来,最も低い水準になる見通し。2009年前半もこの状況は続くとみる。このため,すべてのファウンドリーは2009年の設備投資額を縮小すると予測する。2009年のファウンドリーの生産能力は,マイクロプロセサの伸びなどによって,前年比で8%程度増加する見込み。300mmウエハー対応工場の生産能力は,2008年に対前年比22%,2009年に同12%拡大すると予測する。