対象製品の確認方法
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 シャープは,同社が販売した液晶プロジェクター「XV-101T」で発火事故が発生したと発表した(発表資料)。2007年と2008年に,それぞれ1件の事故が発生したという。2件とも,電源プラグをコンセントに差し込んだ「スタンバイ」の状態で発火した。このうち1件は周囲の一部が焼損し,もう1件は天井・壁の一部が煤によって汚損した。しかし,いずれも人的被害はないとする。

 シャープは,今後の発生を未然に防止するため,XV-101TおよびXV-101Tと同じ仕様の3機種を回収する。さらに,シャープが設計・製造し,パナソニック,日本ビクターに供給した液晶プロジェクター2機種も回収する。ただし,パナソニック,日本ビクターが販売した機種では事故は発生していない。

 シャープは事故の原因を,電源基板内の電解コンデンサの一部が劣化したか,基板面の絶縁が低下したためと推定している。スタンバイの状態において電圧がかかる部位に,こういった絶縁の劣化が生じると,電圧がかかり続けることによってさらに劣化が進む。その結果,絶縁劣化部分で放電・リークが発生し,発煙・発火に至る可能性があるという。今回,回収する6機種は同型の電源基板を使用しており,同じ原因の事故が発生する可能性があるとする。

 シャープが回収する機種は,XV-101T,「PG-1000T」,「PG-X1000」,「XV-T1Z」の4機種。対象台数は,XV-101Tが7350台,PG-1000Tが987台,PG-X1000が500台,XV-T1Zが7062台である。シャープは,XV-101Tを1990年1月~1991年6月に,PG-1000Tを1990年4月~1991年3月に,PG-X1000を1990年11月~1991年5月に,XV-T1Zを1991年4月~1993年8月に製造していた。

 パナソニック,日本ビクターが販売した液晶プロジェクターで回収対象となるのは,パナソニックの「TH-100CV1」と日本ビクターの「VX-100T1」。TH-100CV1の対象台数は500台,VX-100T1の対象台数は200台である。シャープは,TH-100CV1を1991年7月~1991年8月に,VX-100T1を1991年12月~1992年1月に製造していた。






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