鹿児島県奄美諸島のNHK中継局ネットワーク
鹿児島県奄美諸島のNHK中継局ネットワーク
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 NHKは,地上デジタル放送の放送エリアを拡大するため,鹿児島県奄美諸島の徳之島と沖永良部島にUHF帯TTL(Transmitter to Transmitter Link)を利用した中継局を開局したと発表した(発表資料)。この開局によって,奄美大島の中継局から徳之島局,徳之島局から沖永良部島の知名局をつなぐネットワークを構築する。

 従来,離島への中継に使用されたきたSHF帯TTLに比べて,降雨による電波の減衰が小さいUHF帯TTLを用いて,安定した長距離伝播を実現した。さらに,海上の電波伝播で生じるフェージングの影響を改善するため,受信所に二つの受信アンテナを設置して,受信レベルの高いアンテナの信号を優先的に信号合成する,最大比合成方式のスペース・ダイバーシティ受信を採用した。
 
 NHKはこれまでに,国内の都市部をカバーする親局や大規模中継局のデジタル化をほぼ完了させている。2008年10月末の時点で整備が完了した中継局は479局で,国内の約95%の世帯をカバーしているという。今後は,離島や山間部といった中継回線の構築が難しい地域を含め,さらなる整備を進める。現在,沖縄県の先島諸島でもUHF帯TTLの中継回線を利用した中継局の整備を進めているという。

奄美諸島のデジタル放送のUHF帯TTL回線の系統図
奄美諸島のデジタル放送のUHF帯TTL回線の系統図
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知名中継局の鉄塔の図面
知名中継局の鉄塔の図面
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UHF帯TTLとSHF帯TTL,放送波中継との比較
UHF帯TTLとSHF帯TTL,放送波中継との比較
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