ルネサス テクノロジは,ドイツにある半導体前工程工場Landshut Silicon Foundry GmbH(以下,L Foundry社,旧称:Renesas Semiconductor Europe (Landshut) GmbH)の全株式を2008年11月21日付で,半導体の受託生産を専門とするSilicon Foundry Holding GmbH(以下,SFH社)に譲渡したと発表した(発表資料)。

 L Foundry社は,主に0.35μmおよび0.18μm,0.15μmプロセスで,ICカード用セキュア・マイコンなどに向けたウエハーを生産している。しかし,半導体市場の急速な変化に対応して,より微細なプロセスの半導体製品を大量生産するには,多額の設備投資が必要になるため,ルネサス テクノロジは同工場の売却を決めたという。同社は今後,半導体の前工程生産を国内のより大規模な工場に集中させる。L Foundry社内にあった品質保証センターは,ルネサス テクノロジのミュンヘン拠点に移転する。なお,ルネサス テクノロジは,L Foundry社の譲渡後も,2009年12月まで自社製品の生産の一部をSFH社に委託する予定。

 SFH社は,L Foundry社をアナログ半導体製品の前工程受託生産を専門に手掛ける工場に転換する。現地顧客向けの幅広い製品群の少量生産や,特注生産の需要に応える。L Foundry社が現在生産できるアナログ半導体製品は,欧州で一定の需要があるため,新たに設備を更新することなく,生産を開始できるという。

 ルネサス テクノロジは2008年9月に,L Foundry社をSFH社に売却することを検討していると発表していた(Tech-On!の関連記事)。