米Analog Devices, Inc.は,2008年11月1日締めの四半期決算を発表した(発表資料)。売上高は前年同期比6%増の6億6070万米ドル,営業利益(継続事業ベース)は同34%増の1億6070万米ドル,純利益は同47%増の1億4390万米ドルだった。

 市場別にみると売り上げが大きく伸びたのは通信市場向け。携帯電話機や基地局向け需要が好調で,同分野の売上高は前期比で11%増,前年同期比では34%増となった。全社に占める売り上げ比率は27%である。

 売り上げ比率で最大の47%を占める産業機器向けは前期比では5%減収,前年同期比では4%増収となった。自動車分野の売り上げが低迷したという。売り上げ比率21%を占めるデジタル家電向けは前期比で2%増収,前年同期比では11%減収となった。デジタル・カメラ向けは好調だったものの,それ以外の需要が停滞したとしている。

 製品別にみると,売り上げ比率47%を占めるデータ・コンバータ群は前期比2%増収,前年同期比8%増収となった。アンプ製品群の売り上げはほぼ前期並みで,前年同期に比べると9%増加した。売り上げ比率は23%となっている。DSP製品群の売り上げは前期比1%増,前年同期比9%増で,売り上げ比率は9%となった。

 2008年11月~2009年1月期の見通しについてPresident and CEOのJerald G. Fishman氏は「受注ペースが9月後半から鈍化している。2008年11月~2009年1月期は前期比で20%程度の減収を見込む。顧客の慎重姿勢を受け,在庫水準を保つために当社は生産調整に入る。この短期的な影響で粗利益率は3~4ポイントほど低下し,57~58%になるだろう」とした。

《訂正》
記事掲載当初,全社の売上高を「6億9070万米ドル」と誤記していました。正しくは「6億6070万米ドル」です。お詫びして訂正いたします。記事本文は既に訂正済みです。