産業技術総合研究所は,CO2を原料とし,かつ弾性率が2.4Gpa,強度が17.9Mpaと高いプラスチックを開発した。ポリエチレンやポリプロピレンなどといった石油由来プラスチックを代替する,環境配慮型の材料として期待される。
開発したのは,CO2とプロピレンオキシドから作られるポリプロピレンカーボネート(PPC)に,2種類の脂肪族ポリエステルを複合化させたもの。これまでPPC単体では,弾性率や強度などの特性が実用にはほど遠かったが,今回,複合化によってこうした特性を大幅に向上させた。弾性率はPPC単体の24倍,強度は同3.7倍にも及ぶ。
CO2から製造するPPCは,その重さの43%はCO2が固定化された材料となる。今回は脂肪族ポリエステルを複合化させたため,固定化されたCO2の重さは約30%になるという。それでも汎用プラスチックに比べるとCO2排出量削減の見地からは有利として,地球温暖化対策に貢献できるとみる。
今後,開発したプラスチックのさらなる性能改善を進め,実用材料としての評価を進める予定とする。