説明する井熊正裕氏(左から3人目) 日経BPが撮影。
説明する井熊正裕氏(左から3人目) 日経BPが撮影。
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半導体の地域別市場の増減率推移 WSTSのデータ。
半導体の地域別市場の増減率推移 WSTSのデータ。
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ICの製品別市場の増減率推移 WSTSのデータ。
ICの製品別市場の増減率推移 WSTSのデータ。
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 WSTS(World Semiconductor Trade Statistics:世界半導体市場統計)日本協議会は,2008年11月18日に報道機関向けの会見を開催し,WSTSの2008年秋季半導体市場予測を発表した(ニュース・リリース:PDF)。2008年の半導体世界市場は対前年比2.5%増の2619億米ドルに止まると,見込む。厳しさは2009年も続き,2009年の同市場は対前年比2.2%減の2561億米ドルに縮小する,と予測した。

 WSTSが5月下旬に発表した春季予測では,2008年は+4.7%,2009年は+5.8%としていた(Tech-On!関連記事)。これらに比べると,今回の秋季予測は大幅な下方修正となった。会見では大幅な下方修正の原因を,米国発の世界的な金融危機としていた。

 しかし,それが顕在化する前から,DRAMやNAND型フラッシュ・メモリーの価格下落は続いていた上,北京オリンピックによる特需もなく,2008年の半導体市場はもともと厳しい状況だった。そのような中で,世界的な金融危機が到来したわけで,「泣きっ面に蜂」の状況となった。

日米欧で2~3年連続の市場縮小

 現地通貨ベースでみた地域別の半導体市場は,米州と欧州が2007年から3年連続のマイナス成長,日本も2008年と2009年の2年は連続してマイナス成長となる。米ドル・ベースでは2008年の日本市場は1.2%増だが,「円ベースの8.5%減の方が実感に近い」(WSTS日本協議会 会長の井熊正裕氏)。