中国で水力発電設備の製造/販売/保守サービスを手掛ける東芝水電設備有限公司
中国で水力発電設備の製造/販売/保守サービスを手掛ける東芝水電設備有限公司
[画像のクリックで拡大表示]

 中国で水力発電設備の製造/販売/保守サービスを手掛ける東芝水電設備有限公司(以下,東芝水電)は,中国をはじめアジア地域における水力発電需要の拡大に対応し,2009年度までに総額約1.7億元(約25億円)の設備投資を実施する(図)。その一環として2008年11月13日には,発電機のコイルや鉄心などを製造する電気工場の増設部分を竣工した。新しい電気工場の面積は,約9000m2

 2005年1月に設立した東芝水電は,浙江省で鋳造から溶接製缶,機械加工/組立,電気の各工場を運営し,水車や水車発電機など水力発電機器を製造している。今回の設備投資では電気工場のほか機械加工/組立工場も拡張する計画で,工事完了後には2007年度比で2倍以上の生産高になる。中国国内の外資系企業としては初めて水車模型試験設備を導入することにより,中国市場に適した機器製造を実施していく。

 東芝によれば,中国における水力発電所の新規建設市場は世界市場の約5割を占める。電力需要の増大や環境に配慮した再生可能エネルギーへのニーズの高まりから,中国での水力発電設備容量は2020年に300GWと,2007年の2倍の規模になる見通し。そこで同社では東芝水電をコスト競争力のある製造拠点として活用しながら,インドや東南アジア向けの輸出も視野に水力事業の拡大を目指すという。