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 船井電機は2008年11月13日,2008年度上期(2008年4月~9月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比7.5%減の1446億5900万円,営業利益は同108.8%増の43億2000万円だった。従来の主力製品だったCRTテレビやDVDプレーヤーの落ち込みを,Blu-ray Discプレーヤーや米国の地上デジタル放送用セットトップ・ボックス(STB)といった新しい分野の製品がカバーした。

 ただし,米国で地デジ用STBが売れているのは,2009年2月に地上アナログ放送が停波する影響だ。この市場はアナログ停波後には消滅する。同社執行役社長の林朝則氏は「これをどう補うかが課題だ」と語った。具体的には二つの製品分野を考えているという。一つは,オランダRoyal Philips Electronics N.V.との提携により2008年8月に米国に投入したPhilipsブランドの液晶テレビ。もう一つは,現在開発中のBlu-ray関連製品。「これらで落ち込みをカバーしたい」(林氏)とする。

 売上高のうち,テレビ関連機器は前年同期の662億円から569億円に減少した。液晶テレビは450億円から498億円に増加したが,CRTテレビは,141億円から57憶円へと縮小。テレビ関連のその他機器は,プロジェクターからの撤退により,71億円から14億円に減少した。

 DVDプレーヤーの売上高は前年同期184億円から今期124億円,ビデオ・レコーダーは25億円から11億円へとそれぞれ減少した。DVDレコーダーは110億円から115億円へと微増。一方,前年同期には存在しなかった二つの分野が売上高を押し上げた。Blu-ray Discプレーヤーの売上高は76億円,米国向け地デジ用STBは142億円だった。

 情報機器の売上高は,前年同期452億円から277億円へと大幅に減少した。デジタル・カメラではOEM先からの受注回復が見られたが,プリンターのOEM先が商品戦略を見直した影響で売上高が落ちたという。

 ちなみに,2008年度上期の経常損益は59億9200万円の黒字だが,純損益は121億200万円の損失である。これは,過年度法人税等の控除によるものだという(Tech-On!の関連記事)。

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