米国司法省(United States Department of Justice)は米国時間2008年11月12日,韓国LG Display Co., Ltd.,シャープ,台湾Chunghwa Picture Tubes, Ltd.(CPT)の3社が液晶パネルの価格カルテルへの加担を認め,総額5億8500万米ドルの罰金を支払うと発表した(発表資料)。3社は,今後の調査に協力することも約束した。

 2006年12月から日韓米の関係当局は,LG Display社や韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.,シャープなど液晶パネルの主要メーカーを,価格カルテル疑惑で調査してきた(Tech-On!関連記事)。

 米司法省は,シャープとLG Display社とCPT社の3社が協力して米Apple Inc.や米Dell Corp.,米Motorola, Inc.に販売する液晶パネルの価格を操作したとしている。価格カルテルが行われていた2006年当時,液晶パネルの世界市場規模は700億米ドルだったという。

シャープは町田会長ら報酬の一部を自主返上

 シャープは,2001年4月~2006年12月にDell社のデスクトップ・パソコン用モニタとノート・パソコン向け,2005年秋~2006年中盤にMotorola社の携帯電話機「RAZR」向け,2005年9月~2006年12月にApple社の携帯型音楽プレーヤ「iPod」向け,それぞれの液晶パネルの価格操作を認め,罰金1億2000万米ドルを支払う。

 シャープはこの件で2008年11月13日,再発防止策を徹底し,信頼の回復に努めたいとのコメントを発表した(発表資料)。罰金は2008年10月~12月期決算に特別損失として計上する。また,この件と,日本や欧州でも同様の調査が進んでいることで,株主や関係者に心配をかけたとして,代表取締役会長ほか一部取締役は2008年12月から3カ月間,報酬の10~30%を自主返上するという。

 LG Display社と100%子会社の米LG Display America Inc.は,2001年9月~2006年6月に全世界で販売していたTFT液晶パネルの価格を操作したことを認め,罰金4億米ドルを支払う。

 CPT社は,2001年9月~2006年12月にLG Display社などと共謀し,全世界で販売していたTFT液晶パネルの価格を操作したことを認め,罰金6500万米ドルを支払う。