調査会社の米ABI Research社は,Blu-ray Disc(BD)プレーヤーの価格が2008年の年末商戦で150~200米ドルまで下がる可能性があると発表した(発表資料)。前年は最も安くて300米ドルほどだった。

 ABI Research社によれば現在,中堅メーカーの製品や6~9カ月前に発売された製品は,200米ドル以下で手に入るようになっているという。例えば,米Amazon.com, Inc.は,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.のBDプレーヤーと4枚のディスクとのセットを,この水準で販売している。

 BDプレーヤーの価格が下落してきた背景の一つには,動画のダウンロード・サービスとの競合があるとABI Research社は説明する。米Microsoft Corp.の「Xbox 360」や米TiVo Inc.のDVR(digital video recorder),米Roku, Inc.が販売する米Netflix, Inc.の動画ストリーミング・サービス向け専用セットトップ・ボックス「The Netflix Player by Roku」といった,動画ダウンロード・サービスに対応する製品は,当初の予想よりも大きな競合相手になってきているという。

 このため,BD製品をDVDに代わる次の製品として位置付け,収益と出荷数を拡大するには,BDプレーヤーの価格を下げる必要があることにメーカーや販売業者は気づき始めたとする。

 ただし,ダウンロード・サービスはBDプレーヤー市場に成長の機会をもたらす存在でもある。韓国LG Electronics Inc.とSamsung Electronics社はこれまでに,自社のBDプレーヤーの一部をNetflix社の動画ストリーミング・サービスに対応させることでNetflix社と合意している(Tech-On!の関連記事同2)。ABI Research社は,これらのダウンロード機能によって,従来のDVDプレーヤーとの差別化を図りやすくなると主張している。