米Qualcomm Inc.の2008会計年度第4四半期(2008年7~9月)決算は大幅な増収増益となった(PDF形式の発表資料)。米国一般会計原則(GAAP)では売上高が前年同期比45%増の33億3000万米ドル,営業利益は同71.8%増の13億4000万米ドルだった。純利益は8億7800万米ドルで,前年同期からは22%減少したものの,前期比では17%増加した。

 プロフォルマ(予想損益計算書)ベースの研究開発費は前年同期比で29%増加した。これはIC製品のほか,次世代CDMA(符号分割多元接続)やOFDMA(直交周波数分割多元接続)技術の開発コストが増えたためという。

 通期(2007年10月~2008年9月)では,GAAPベースの売上高が111億4000万米ドルで前年度比26%増,純利益が31億6000万米ドルで同4%減,希薄化後の1株当たり利益が1.90米ドルで同3%減だった。

 同社CEOのPaul E. Jacobs氏は,「チップセット事業が好調だったほか,フィンランドNokia Corp.との特許侵害訴訟で和解に達するなど,2008会計年度の業績には大変満足している。景気低迷の影響を予測するのは困難だが,業績は堅調で安定したキャッシュ・フローを生み出している」と述べた。

 同社は2009会計年度の見通しについても明らかにした。

 第1四半期(2008年10~12月)は,GAAPベースの売上高が23億~25億米ドルで,前年同期比6%減~同2%増を見込む。希薄化後の1株当たり利益は0.35~0.39米ドルで,前年同期比15~24%減の見通し。

 一方,通期(2008年10月~2009年9月)は,GAAPベースの売上高が102億~108億米ドルで前年同期比3~8%減。希薄化後の1株当たり利益は1.61~1.71米ドルで,前年同期比10~15%減を見込む。