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500万画素のCMOSセンサを搭載。レンズは単焦点。
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外部インタフェースはSDメモリーカードのほかに,携帯電話機とのやりとりに向けたIrDAがある。
外部インタフェースはSDメモリーカードのほかに,携帯電話機とのやりとりに向けたIrDAがある。
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内蔵する電池の容量は7.4V,430mAh(3.4Wh)。フル充電時の連続印刷枚数は20枚,連続撮影枚数は250枚。
内蔵する電池の容量は7.4V,430mAh(3.4Wh)。フル充電時の連続印刷枚数は20枚,連続撮影枚数は250枚。
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画面デザインは,おもちゃメーカーらしさを少し感じさせるものだった。この「シャッフル1」は,カメラ側がランダムに画像を選び出すもの。「偶然性を楽しんでもらいたい」(タカラトミー)。
画面デザインは,おもちゃメーカーらしさを少し感じさせるものだった。この「シャッフル1」は,カメラ側がランダムに画像を選び出すもの。「偶然性を楽しんでもらいたい」(タカラトミー)。
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 タカラトミーは,プリンター内蔵型デジタル・カメラ「xiao(シャオ) TIP-521」を2008年11月28日に発売する。本体の想定実売価格は3万4800円,裏面がシールになった専用紙は880円である(プレス・リリース)。

 プリンター内蔵型デジタル・カメラや,それに向けた印刷技術は,1996~2000年ごろに続々と登場した。そこで用いられた印刷方式は,印画紙中の染料を熱や光で発色させる「自己発色」や,インスタント・フィルムを用いた「蛍光管プリント・ヘッド」,昇華型,溶融型,インクジェットなど。商品化や試作を手掛けた企業は,少なくとも8社あった1~2)

[自己発色方式]
 サイカラーシステム,シンガポールAztech Systems Ltd.,ミツミ電機,富士フイルム
[蛍光管プリント・ヘッド方式]
 双葉電子工業,富士フイルム
[昇華型熱転写方式]
 オリンパス
[溶融型熱転写方式]
 アルプス電気
[インクジェット]
 キヤノン

 しかし,いずれも成功したとは言い難い。思うような販売実績を挙げられなかったり,試作止まりに終わった企業ばかりである。

 こうした過去に対してタカラトミーは,おもちゃメーカーならではの発想を生かすことで活路を拓こうとしている。これを良く表すのが,テレビ・コマーシャルである。

 記者会見では放映予定のコマーシャルが流されることが度々あるが,率直にいって見る側の反応は冷淡である。ところが,今回のコマーシャルは「面白い」「かわいい」といった声が漏れ聞こえるほど好評だった。なかなか大手電機メーカーでは取りにくい表現を用いたことが功を奏したためだろう。

 肝心の商品そのものは,まだ「固い」仕上がりとなっている。具体的には,過去のプリンター内蔵機に比べて良くなったとはいえ,外形寸法が大きい。15cm×7.5cm×2.5cm(レンズ部は3.1cm)である。印刷方式は自己発色だ。外観デザインも3色で展開するとはいえ,いかにもメカっぽい。

 ただし,品質・信頼性の面では,十分な水準にあると考えられる。ハードウエアの製造元が,台湾Hon Hai Precision Industry Co., Ltd(鴻海)だからだ。印刷技術を供与したのは米国のベンチャー企業,ZINK Imaging, Inc.である。同社は米Polaroid Corp.にも技術供与している。「我々の目標はあらゆる機器にプリンターを組み込むこと。まだ企業規模は小さいが,考えに賛同してくれた企業と共に実現していきたい」(同社)。

1)田野倉,「第3部 自己発色方式 『携帯型』を可能にし,家庭用市場に切り込む」,『日経エレクトロニクス』,1997年11月17日号,no.703,pp.137-143
2)芳尾,「プリンターも,ケータイ」,同上,2001年2月26日号,no.790,pp.57-64

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