LSIのテスト関連の国際イベント「ITC(International Test Conference) 2008」 の開催に合わせ,同じ米カリフォルニア州Santa Claraで,LSIテスター関連の標準化機関「STC(Semiconductor Test  Consortium)」の「STIL(Standard Test Interface Language) WG」会合が開催された。

 STCのSTIL WGは,2008年6月に同州のSan Diegoで開催されたの「Global STC Conference」でキックオフ・ミーティングが行われ,これで今年2回目の会合となる。今回は「How to driving forward STIL」と題して,半導体理工学研究センター(STARC)と東芝マイクロエレクトロニクスが日本でのSTILの活動および利用状況について(Tech-On!関連記事1),またSTCと米Inovys社(現在は米Verigy,Inc.の一部)が海外でのSTIL関連の利用状況について報告した。

STILの問題と期待を調査

 日本と海外のSTIL関係者に対して実施されたSTIL利用状況のアンケート調査結果では,STILの問題点として,STILには方言がある点,記述の自由度が高くサポートが困難である点,SoC/メモリー/アナログ/フェイル・ログなどの情報が不足している点,などが挙げられた。またSTILへの期待として,機能拡張を進めること,従来の言語環境からの脱却を図ること,普及させるためには利用のガイドラインが必要であること,などが挙げられた。

 STCのSTIL WGには,IEEEでのSTIL標準化の加速,STILの普及促進,およびSTILサポートの拡大活動が期待されている。そのためには,主要なEDAベンダーや,テスター・メーカー,日本のIDMに加えて,米国,欧州などの主要なIDMにもSTC STIL WGに参加を要請し,全世界で一丸となってSTIL活動を進めていくことが重要となる。

 STILの話題はITC 2008にもあった。例えば,10月29日のポスター・セッションにおいて「PO 1:Overview of IEEE P1450.6.2 Standard: Creating CTL Models for Memory Test and Repair」と題して,P1450.6.2(メモリー・テスト)に関する米LogicVison, Inc.のポスター展示があった。

 P1450.6.2WGはSTIL1450.6(Core Test Language)の拡張として2006年5月に活動を開始し,メモリーのテストとリペアに関する仕様を検討してきている。WGにはメモリーのメーカー2社,EDAベンダー4社,メモリー・ユーザー4社が参加しており,最終的に,2009年に投票が行われる予定とのことであった。