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 NTTドコモは2008年10月31日,2008年上期(2008年4~9月)の連結決算を発表した(NTTドコモの決算資料)。売上高は前年同期比2.5%減の2兆2677億8400万円,営業利益は同41.2%増の5769億4600万円と減収増益だった。減収の主な原因は,1契約当たりの月間平均収入(ARPU)の低下による通話/通信料収入の減少である。

 ARPUは,2007年第2四半期(7~9月)では6550円だったのに対し,2008年第2四半期では5860円に下がった。これにより,通話/通信料が前年同期より1947億円減少した。下がっているのは音声ARPUの部分で,パケットARPUは逆に2210円から2410円へと上昇している。

 上期の端末の総販売数は,前年同期比253万台減(19.8%減)の1026万台。ただし,販売モデルの変更で販売単価が上がっているため,端末の販売収入は前年同期より1244億円増加した。販売数の減少でその分の端末の原価が1614億円減り,販売方法の変更で代理店手数料が664億円減少したこともそれぞれ増益に貢献した。

 通期の業績見通しでは,売上高を4兆7680億円から4兆5970億円へと1710億円下方修正した。主に,端末販売数の見直しによる端末販売収入の減少によるもの。ただし,端末の販売台数が減ると原価も減るため,営業利益で見れば影響が相殺される。このため,通期の営業利益の見通しは8300億円と当初予想から変更はない。

 同時に2011年に向けた戦略も明らかにした。2011年に営業利益9000億円を目指すという。このために,ユーザーの「行動支援」を行える携帯電話サービスを提供していく。具体的には「サービスのパーソナル化」「ソーシャル・サポート・サービスの推進」,「融合サービスの提供」の三つである。

 サービスのパーソナル化は,従来の「~ができるケータイ」から「~してくれるケータイ」を目指すもの。エージェント機能やカスタマイズ機能を強化する。ソーシャル・サポート・サービスは,例として健康管理のサポートを挙げた。融合サービスでは,産業機器,車(ITS),情報家電,放送と,携帯電話の間でシームレスな連携サービスを提供する。こうした新規事業を「2011年に1000億の売上高になるよう育ててきたい」(NTTドコモ 代表取締役社長の山田隆持氏)としている。