米Microsoft Corp.は2008年10月27~30日に開催した開発者会議「Professional Developers Conference 2008(PDC 2008)」で,関数型プログラミング言語「F#」を標準の開発言語の一つとして提供することを明らかにした。2009年に発売予定の「Visual Studio 2010」で対応する。

 F#の特徴は,宣言的な表現でプログラムを記述できること。また関数型プログラミング言語の特性から,並列処理の記述が手続き型に比べ容易である。宣言的な表現とは,その手順ではなく「何をしてほしいか」を記述するもの。例えば今までの手続き的な言語では,コーヒーを頼むのに「お湯を沸かして,ドリッパーを用意して,コーヒーの粉を入れて…」と記述していた。これに対し宣言型の言語では,「コーヒーをお願い」といえばよい。処理手順に煩わされることなく,何をしたいかを記述できるのでプログラムの作成効率は上がる。

 またF#では複数の要素に対する一括処理を記述できる(map関数)。map関数の個々の要素は独立しているため,相互作用がなく並列処理が可能である。このことを利用して,「.NET Framework 4.0」が備える並列処理機構に個々の処理を割り当てることにより,並列処理を実装可能である。