台湾の半導体メーカーUnited Microelectronics Corp.(UMC)は現地時間2008年10月29日,同年第3四半期(7月~9月)の決算を発表した(PDF形式の発表資料)。売上高は247億5000万台湾ドル(約7億6800万米ドル)で,前年同期の310億3000万台湾ドル(約9億6300万米ドル)から20.2%減,前期の252億4000万台湾ドル(約7億8300万米ドル)から1.9%減となった。

 純損失は14億1000万台湾ドル(約4400万米ドル)で,前年同期の純利益92億台湾ドル(約2億8700万米ドル),前期の純利益24億台湾ドル(約7400万米ドル)から赤字に転落した。投資損失や,世界市場における半導体需要の減退などが影響した。1株当たり損失は0.11台湾ドル。前年同期は1株当たり利益0.55台湾ドル,前期は同0.18台湾ドルを計上していた。

 営業利益は9億4700万台湾ドルで,前年同期の42億4000万台湾ドル,前期の23億4000万台湾ドルと比べ大幅に減少した。粗利益は43億7000万台湾ドルで,売上高の17.6%を占めた。前期の粗利益は58億台湾ドルで,売上高の23%を占めていた。

 同社CEOのShih-Wei Sun氏によると,8インチ・ウエハー換算のウエハー出荷枚数は88万3000枚,生産設備の稼働率は約79%で,当初の予測通りとなった。また90nm(ナノメータ)や65nmのプロセス技術に対する顧客の需要が堅調で,両プロセス技術で製造したチップが売上高に占める割合は,前期の36%から38%へと,わずかに増加した。

 また同氏は2008年第4四半期の見通しについて,「世界経済の低迷により,顧客は発注に慎重になっている。市場を取り巻く環境は,当初の予測より厳しい」と述べた。第4四半期は,設備の稼働率が55%に低下し,粗利益率も約10%に下がる見込み。