伊仏合弁STMicroelectronics社は2008年第3四半期(2008年7~9月)の決算を発表した(発表資料)。売上高は対前年同期比5.1%増の26億9600万米ドル,営業利益は同69.6%減の5500万米ドルだった。純損益は2億8900万米ドルの赤字を計上した。なお,この業績はSTMicroelectronics社が過半の株式を所有するST-NXP Wireless社の業績を含んでいる。

 市場別の売上高構成比を見ると,通信は40%,自動車が13%,民生機器が16%,コンピュータが15%,産業およびその他が16%。前年同期比ではすべての分野で売上高が増加した。通信分野は50%増,産業分野は19%増と大きく伸び,民生機器は8%,コンピュータは5%,自動車は1%の増加だった。

 製品分野別に見ると,ACCI(自動車,民生機器,コンピュータ,通信インフラ製品グループ)の売上高は対前年同期比9.6%増の10億8500万米ドル。自動車向け製品とデジタル・コンシューマ向け製品が大きく伸びたという。ACCIの営業利益は5800億円で,前年同期と比べると減益となった。

 IMS(産業・マルチセグメント製品分野)の売上高は,対前年同期比12.0%増の9億100万米ドル。MEMSやマイコン,スマートカードなどの成長が増収につながったという。IMS部門の売上高のうち,5億7400万米ドルはIC製品が占めるが,この売上高は前年同期比で21%増加した。一方,ディスクリート製品の売上高は3億2600万米ドルで,同1%減少した。IMSの営業利益は1億5200万米ドル。先端アナログ製品へ注力した開発による製品構成の改善や生産量の増加,生産効率の改善によって,前年同期と比べると増益となった。

 WPS(無線製品分野)の売上高は6億9600万米ドル,営業利益は2200万米ドルだった。

 2008年第4四半期の売上高は,直前期と比べて同水準から8%減少する見通し。売上総利益率は,複数の事業要因の改善や為替の影響によって直前期より改善し,38±1%程度となる見込みという。