米Texas Instruments(TI)は米国時間2008年10月20日,同年第3四半期の決算を発表した(発表資料)。売上高は33億9000万米ドルで 前年同期の36億6000万米ドルから8%の減収,純利益は5億6300万米ドル(1株当たり利益は43セント)で前年同期の7億6000万米ドル(同52セント)から26%の減益となった。

 同社会長・社長兼CEO(最高経営責任者)のRich Templeton氏は,「経済の先行きが不透明ななか,消費者と企業は支出削減を図っている。そのため,予想通り売り上げは低調だった。しかし,アナログ部門の売上高は安定しており,組み込みプロセッシング部門では売上高が前年から9%増加した」と説明した。

 事業部門別に売上高を見ると,アナログ部門は前年同期比1%減でほぼ同水準を維持し,組み込みプロセシング部門では同9%の増収となった。しかし,ワイヤレス部門の同16%の減収と,その他部門の同13%の減収を補うには至らなかった。

 TIは携帯電話向けベースバンド事業を中心にワイヤレス部門のコストを約3分の1削減し,年間で2億米ドルを節減する方針だ。また,ベースバンド事業の売却も検討している。ワイヤレス部門では,スマートフォン向けプロセサ「OMAP」に注力する計画である。

 2008年第4四半期の業績については,売上高が28億3000万~30億7000万米ドル,1株当たり利益が30~36セントと見込んでいる。