Eee PC 701SD-Xに同梱された外付けHDD(30Gバイト)
Eee PC 701SD-Xに同梱された外付けHDD(30Gバイト) (画像のクリックで拡大)

 台湾ASUSTeK Computer Inc.は,2008年9月20日から国内で販売していた小型ノート・パソコン「Eee PC 701SD-X」に同梱した外付けHDDの一部に,ウィルスが混入している可能性があると発表した(発表資料)。当面Eee PC 701SD-Xの販売を見合わせると同時に,既に販売したEee PC 701SD-Xの外付けHDDについては,無償回収および交換を行う。

 ASUSTeK社によれば,混入した可能性のあるウィルスはトロイの木馬型の「TROJ_GAMETHIE.RZ」。同ウィルスは,一部のオンライン・ゲームのパスワードなどの情報を盗み取るという。同社は出荷予定の外付けHDDを1000台検査し,そのうち20台で感染が判明した。ウィルス混入の原因は現在調査中だが,外付けHDDの製造工程で混入したと同社はみている。また,ウィルスの混入は外付けHDDのみで,別工場で製造したEee PC 701SD-X本体にウィルスは混入していないとする。

 無償回収の対象件数は約2万台。交換を申し込んだユーザーには,米Symantec Corp.のセキュリティ・ソフトウエア「ノートン・アンチウイルス・2009 60日無料体験版」をプレインストールした外付けHDDを,2008年10月17日から順次発送して対応する。

 なお,同社は2008年10月14日からEee PC 701SD-Xの販売を一時停止している。販売の再開は11月上旬の予定である。

「Eee Box B202」のウィルスはシステム・データの作成段階で混入

Eee Box B202
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 ASUSTeK社は2008年10月3日,2008年10月2日に発売したデスクトップ・パソコン「Eee Box B202」でも,内蔵HDDがウィルスに感染していたと発表している(発表資料)。今回のEee PC 701SD-Xの外付けHDDのウィルス混入も,Eee Box B202のウィルス混入を受けて,出荷予定の全製品に全品検査を実施して明らかになったもの。

 今回,ASUSTeK社は,Eee Box B202のウィルス混入の経緯についても説明した。Eee Box B202に混入した可能性のあるウイルスはDドライブの「Recycled.exe」。工場生産時,本体に使用する日本向けのシステム・データの作成段階で,ハードウエアをチェックするためのテスト・データにウィルスが混入したという。その際もウィルス・チェックは実施していたが,チェックした時点の定義ファイルでは検出できなかったとする。今後は,製造から出荷までの間に,複数のウィルス対策ソフトウエアで最新の定義ファイルによる検査を複数回実施することで再発を防ぐ。

 Eee Box B202の出荷台数は約4500台。そのうち約300台がユーザーに販売済みという。同社は既にEee Box B202の無償交換を発表しているが,2008年10月14日から交換製品の発送を順次開始した。販売の再開は2008年11月上旬を予定する。