米Adobe Systems Inc.は2008年10月15日,パソコンで動作するFlashコンテンツの実行環境の最新版「Flash Player 10」を公開した。Flashはインターネットのコンテンツで,Webブラウザーではカバーできないリッチな表現を実現するために使われている。同日日本法人であるアドビシステムズが,日本語版Flash Player 10の無償公開を発表している。

 Flash Player 10では,3次元グラフィックスに対応したほか,カスタム・フィルタ機能による描画効果,新たなテキスト描画機構による国際化対応,グラフィックス処理LSI(GPU)対応による描画の高速化などが施されている。Windows,Macintosh,Linux向けが同時に公開された。Solaris版についても年内に対応予定であるという。

 組み込み向けの「Flash Lite」とパソコン向けのFlash Playerを比較すると,これまではパソコン向けに遅れて組み込み向けのFlash Liteが公開される傾向があった。Adobe社では今後,このタイムラグをなくす方針であるが,Flash Player 10ではまだ実現されなかった。Adobe社はFlash Player 10の成果を「Open Screen Project」に提供し,組み込み向けの開発を促進する考えである。