スピーカーで構成するバーチャルなオーケストラ
スピーカーで構成するバーチャルなオーケストラ
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バーチャルなオーケストラの中を歩いてみた
バーチャルなオーケストラの中を歩いてみた
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 オーケストラの各楽器をそれぞれ,スピーカーで構成したら・・・。

 このようなサウンド・システムを使ったコンサート「オータム・ファンタジー2008」が,2008年10月11~21日にかながわサイエンスパーク(KSP)で開催される。開催に先立ち,サウンド・システム「シンフォキャンバス」を開発したリードサウンド(本社:川崎市)は特別視聴会を設けた。64個のスピーカーを使うので,64チャネルのサウンド・システムとなる。KSPでの開催は昨年のクリスマス・シーズンに続き2回目。演奏する楽曲を刷新し,さらに音声と演奏のみによる物語を新たに設けた。リードサウンドは開発に当たり,ヒビノTICの協力を得た。将来的には音楽教育への展開や,都会の限られた空間にバーチャルなオーケストラの演奏システムを設置することを狙っている。

 サウンド・システムでは,オーケストラを構成する弦楽器,木管楽器,金管楽器,打楽器などの各楽器に,個々のスピーカーを割り当てている。つまり,バイオリンにはバイオリンの音だけを発するスピーカー,トロンボーンにはトロンボーンの音を発するスピーカー,といった具合だ。楽器奏者の代わりに個別のスピーカーがあり,それを組み合わせてバーチャルなオーケストラを構成している。スピーカーの配置も本物のオーケストラを模しており,観客席側の2列が弦楽器,その後の2列が木管楽器,さらに後ろの2列が金管楽器,その後が打楽器となる。ボーカルの歌声を発する専用のスピーカーも用意する。従って,楽曲の演奏を聴くと,バイオリンのパートではオーケストラの中でバイオリンが居る位置のスピーカーからのみ音が聴こえる。

 このコンサートでは,観客が整然と並んでいるスピーカーの間を歩き回ることが可能である。各スピーカーに近づいて出力する音を聴いてみると,確かに特定の楽器の音を発していることが分かる。あたかも,演奏するオーケストラの中を歩き回る感じだ。スピーカー間にはいくつもの椅子が用意されており,オーケストラの中に居て演奏を聴く気分も味わえる。

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