クルマに搭載される機器の電子化が進み、運転中にドライバが認識しなければならない情報が増えている。クルマの速度やエンジンの回転数だけでなく、ナビゲーションの地図情報や予防安全に関する各種警告情報、車両の状態を示す情報など、数え上げればきりがない。今後、自動車メーカーにとって、こうした情報を運転中のドライバにいかに安全・確実に伝えるかが重要になる。その中で、いま注目を集めているのがインストルメントパネル(インパネ)である。

 これまでのインパネは、クルマの速度やエンジンの回転数、ガソリンの残量、エンジン冷却水の温度など、メーターやLEDで表示できる比較的単純な情報を取り扱っていた。ところが今後、インパネは、電子ミラーから送られてくる死角の映像情報や、後方から追い越しをかけてくる車の警告情報、クルマの走行状態の情報など、映像を取り扱う必要性が出てきている。従来のメーターや7セグメントのLEDだけでは、こうした情報を扱うことは難しい。

 そこで自動車メーカーが注目しているのが液晶ディスプレイである。インパネを全面的に液晶ディスプレイに変えることによって、ドライバが認識すべき映像・画像を含む各種情報を提供するという考え方だ(図)。


図◎統合インパネの例。東芝松下ディスプレイテクノロジーが開発した統合インパネ。

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