ベルギーの研究機関IMECは,フレキシブル基板向けに電子回路と光導波路の接続技術を開発した(発表資料)。市販の光検出器と発光素子であるVCSEL(vertical cavity surface emitting laser)から成る電気-光信号変換部分を30μmまで薄型化したという。この部分を透明でフレキシブルな基板内に組み込み,導波路コアやマイクロミラーの光導波路部と接続する。なお,光検出器とVCSELにはGaAs技術を使う。

 今回の接続技術を利用して,IMECは導波路センサと光ファイバー・センサの開発に取り組むという。いずれもフレキシブルな基板内に組み込むことができるとする。導波路センサは,2層のポリマ導波路がSi薄膜層によって分離した構造を採用したもの。外部から圧力が加わると互いに交差する二つの導波路が結合するので,外部からの圧力を検知できる。圧力を加えない状態では光信号のクロストークは生じないが,圧力が加わると2層の導波路間の距離が縮まり,光信号が一方の層から他方層に伝送することを利用する。これにより低コストで高密度の圧力センサが実現するという。

 これらのセンサは,フレキシブルで皮膚のような感触を持ち,不規則な動きや表面の振動を高感度で検出できる人口皮膚を実現できるとする。

今回の接続技術を利用した導波路センサ(画像のクリックで拡大)
今回の接続技術を利用した導波路センサ(画像のクリックで拡大)
[画像のクリックで拡大表示]