NTTは2008年10月6日,米テキサス大学およびカナダHydro-Québec社から提訴されていた訴訟で和解が成立したと発表した(発表資料)。

 この訴訟は,「NTTが充電式のLiイオン2次電池に関する技術の営業秘密を流用した」として,テキサス大学とHydro-Québec社が2001年6月に米テキサス州裁判所に提訴したもの。テキサス大学とHydro-Québec社は,NTTに対して損害賠償などを請求していた。なお,問題となった技術は,正極材料にリン酸鉄リチウム(LiFePO4)などを用いるLiイオン2次電池に関するもので,携帯電話機やノート・パソコンに用いられるものとは異なる技術という。

 今回の和解において,NTTは3000万米ドルの和解金を支払う。ただし,NTTは違法行為を認めず,訴訟の対象となった特許はNTTが保有する。また,今後はNTTが原告に対して,同特許を独占的にライセンス供与する。

 NTTは,この訴訟において違法行為を一切否定して争ってきた。しかし,このまま訴訟を継続する場合に発生する費用や陪審審理の不確実性を総合的に考慮した結果,和解を決めたという。

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