DSiを手にする代表取締役社長の岩田聡氏
DSiを手にする代表取締役社長の岩田聡氏
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DSiの画面。上部は格納した画像を表示している。下部は起動できるソフトウエアを選択する画面
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DSiウェアの価格体系。大きく四つに分かれる
DSiウェアの価格体系。大きく四つに分かれる
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DSiウェアではミニゲームも用意。人気の脳トレも一部を切り出してDSiに特化する形で提供
DSiウェアではミニゲームも用意。人気の脳トレも一部を切り出してDSiに特化する形で提供
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ニンテンドーDSiカメラの位置づけ
ニンテンドーDSiカメラの位置づけ
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 任天堂が2008年10月2日に「DSi」を発表した際に,同社代表取締役社長の岩田聡氏が強調していたことが,「携帯ゲーム機の究極は一人一台」だった(Tech-On!関連記事)。「ゲーム業界では2000万台が普及の限界と言われてきたが,DSはその水準を超えても順調に販売が続いている。ただし一時期の勢いはなくなった。そこで個人にカスタマイズできる機能を追加することにした」(岩田氏)。

 具体的には,DSiにゲームをインストールできるメモリ領域を確保した。ゲーム・コンテンツをカートリッジだけではなく,メモリ領域に格納できる。個々のユーザーが好みのゲーム・コンテンツをインストールした結果,好みのゲームを常に持ち歩けるようになるというのがその狙いだ。メモリ領域の容量などは公開していない。

 これに合わせ,「ニンテンドーDSiショップ」を通じて,「ニンテンドーDSiウェア」のダウンロード販売を始める。これまでWii向けに実施してきた「Wiiウェア」と同様に,販売サイトを通じてダウンロード販売をするもの。Wiiウェアでは「Wiiポイント」と呼ぶプリペイドのポイントを購入し,このポイントで決済をしていた。DSiウェアの導入に合わせ,WiiポイントをWiiとDSiの両方に使える「ニンテンドーポイント」に改訂し,DSiウェアの決済にもポイント制を導入する。

 DSiウェアの第一弾として,ノルウェーOpera Software ASA.と開発した「ニンテンドーDSiブラウザー」を無償配布する。また第2弾は「うごくメモ帳」で,アニメーションを作成可能な手書きメモ・ソフトを無償配布することが決まっている。DSiウェアは大きく4段階の価格を想定しており,無償以外にコンパクトなツールやゲームを対象とした「DSiウェア200」,シンプルなパズル・ゲームや大規模なツールを対象とした「DSiウェア500」,本格的なゲームを対象とする「DSiウェアプレミアム(仮称)」である。DSiウェアプレミアムは800ポイント以上を想定している。

 同時にnintendo zoneと呼ぶ無線サービスも始める。マクドナルドとの協業で,関東,中京,近畿の店舗が最初の拠点となる。DSiのユーザーであれば,自動的に接続する。既存のDSのユーザーでも,「ニンテンドーゾーンビューア」をダウンロードして実行すれば利用が可能になる。そのエリアに関する情報を提供するほか,DS用体験版ソフトの配信や追加コンテンツの配信,ニンテンドーWi-Fiコネクションを通じたインターネット接続サービスの提供などを行う。

「カメラや音楽と言っても,任天堂はひと味違う」

 今回のDSiの発売の前に情報が流れていたが,旧機種との機能面での大きな違いはカメラ機能と音楽プレーヤ機能である。「カメラや音楽プレーヤなんて,携帯電話機みたいで任天堂らしくないと言われた。しかし,携帯電話機のこういった機能は,ツールとして利用するためのもの。任天堂は遊びの中で使うものとしてこれらを用意した」(岩田氏)。カメラで撮影した画像や音楽データは,SDメモリーカードを通じて外部とやり取りできる。

 例えば付属の「ニンテンドーDSiカメラ」を使うと,人間の顔を認識する機能を備えているので,表情を変化させたり,二つの顔を合成した顔を作成できる。二つの顔の類似度を測定することも可能。手書きで写真に落書きするなど,「カメラ機能を思いっきり遊びに振ったもの」(岩田氏)になっている。日付順に整理して写真を持ち歩くことで,携帯の写真立てにもなると説明した。

 また音楽再生機能である「ニンテンドーDSiサウンド」も,音声を遊びに使える。例えばピッチと再生速度を独立して変更できるので,録音した素材を早回し再生をしたり,いわゆる音楽の耳コピーや語学の練習などに利用できる。音素材をハーモニー作成やカラオケ作成といった特殊再生も可能である。

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