講演する「WirelessHD Consortium」の議長John Marshall 氏
講演する「WirelessHD Consortium」の議長John Marshall 氏
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 家庭のAV機器に向けたミリ波伝送仕様の推進団体「WirelessHD Consortium」の議長を務めるJohn Marshall 氏は2008年9月30日,千葉県幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2008」で講演し,WirelessHDの今後の動向について説明した。

 同氏は冒頭で,「WirelessHDはHD画像の非圧縮伝送を高画質のまま低遅延,低コスト,低消費電力で実現するソリューションを目指す」との方向性を示した。適用領域としては,あくまで「室内での伝送」にフォーカスするという。壁越しによる部屋間接続といった,より長距離の伝送用途に関しては,他の競合技術に譲るとした。競合技術としては,「WHDI(wireless high-definition interface)」を挙げた。

 WirelessHD の最初の規格「WirelessHD 1.0」は,60GHz帯を用いることで最大4Gビット/秒の高速伝送が可能である。全てのAV機器を一つのリモコンで操作し,複数の機器間における無線伝送を実現する。エラー・レートは,10-9と既にHDMIケーブル接続時と同等レベルを実現しているという。付加機能として,ゲーム機への伝送時の低遅延モードや,室内をセンシングして自動的に新しい機器を検知する機能,携帯機器への伝送時などに伝送距離を狭めることで低消費電力化を図る機能などを挙げた。2009年中には高画質の大容量コンテンツが扱えるようになるという。