フィンランドのNokiaは現地時間9月29日,セキュリティ・アプライアンス事業の見直しや,消費者向けプッシュ型電子メール・サービスへの取り組みなど,同社のモバイル戦略を刷新することを明らかにした。セキュリティ・アプライアンス事業の売却に向けて投資会社と現在交渉中で,詳細については,最終合意に達した時点で発表するとしている。

 同社は今後,自社の携帯電話やアプリケーションに米Microsoft,米IBM,米Cisco Systemsなどのソフトウエアを組み合わせ,企業向けソリューションとして提供する。同社Services & Software部門担当執行副社長のNiklas Savander氏は,「Microsoftの『Exchange ActiveSync』を搭載した『Nokia E71』が好評を博していることからも,この新戦略が魅力的なアプローチであることが分かる」と述べている。音楽,ゲーム,メディア,メッセージングなど,消費者向けサービスには今後も投資を行い,開発を続けるという。

 米メディア(InfoWorld)によると,同社は企業向け電子メール・プラットフォーム「Intellisync」の開発およびマーケティングから手を引き,これまで同プラットフォームに割いていた社内リソースを,消費者向け電子メール・サービスの開発に向ける。現在,「Gmail」や「Yahoo! Mail」,ISPの電子メールなどを一括して携帯電話に取り込める「Nokia Email Service」のベータ・テストを実施中だという。

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