展示した血液検査システム
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測定チップ
測定チップ
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 ロームは,1滴の血液を用いて短時間に血液検査できる血液検査システムを展示した。患者から4~8μLの血液を採取して測定チップ(カートリッジ)に注入,これを専用の装置にセッティングすると,約10分で検査が完了する。検査できるのは,炎症マーカーであるCRP(通常濃度用と低濃度用)と,糖尿病の血糖管理マーカーであるヘモグロビンA1C。検査対象に応じた測定チップを利用して測定する。測定チップは使い捨てである。

 今回のシステムは,ロームが培ってきた半導体技術や光技術を活用した。例えば,測定チップには半導体加工技術を生かした微細な流路(μTAS)を形成している。測定は,測定チップ内に備えてある試薬と,注入した血液の反応による試薬の色(濃度)の変化で判断する。この色変化の判断は,光検出を利用する。

 装置はウシオ電機と共同開発した。試薬などバイオ関連のノウハウは,複数の試薬メーカーや大学などと連携して取り込んだ。「今回の血液検査システムを皮切りに,今後は積極的にバイオ分野に展開してきたい」(ローム)という。

 なお,ロームとウシオ電機,三和化学研究所は2008年9月20日の14時から東京都内で記者会見を開き,今回の血液検査システムを2008年10月30日から発売することを明らかにした。装置の価格は156万円。測定チップの価格はそれぞれ,CRP(通常濃度用)向けが8400円,CRP(低濃度用)向けが3780円,ヘモグロビンA1C向けが5250円である。