TD-SCDMA方式向けのRFモジュール「UMLC1-11B」
TD-SCDMA方式向けのRFモジュール「UMLC1-11B」
[画像のクリックで拡大表示]

 アルプス電気は,中国の第3世代(3G)携帯電話規格TD-SCDMA方式向けのRFモジュール「UMLC1-11B」を開発した(発表資料)。これまでTD-SCDMA方式のRF部は,個別の部品を配置するオンボードで設計されており,使用するICやフィルタのロットごとのバラツキで性能が安定しなかったという。このため,RF部全体で機能的に最適設計したモジュールを使用することで,部品のロットごとにバラツキのあった送信性能を安定できるとした。TD-SCDMA方式の携帯電話機やスマートフォンなどに向ける。
 
 このRFモジュールは,送信回路の安定化やスプリアスの低減を図ったという。具体的には,送信回路を安定化させるために,バラツキを最適化したマッチング回路を組み込むことでモジュール内のパワーアンプICのバラツキを抑えた。一方,スプリアスを低減するために,モジュール内の部品レイアウトや積層基板の基板間のストリップラインのパターン形成,グランドの配置位置などの設計を,高周波回路技術とシミュレーション技術を利用して最適化した。電源電圧は,パワーアンプ部が標準+3.5V,RF部が標準+2.85V。送信出力が26.5dBm。送信雑音指数が標準4.7dB。

 外形寸法は13mm×9mm×1.5mmと,オンボード設計時と比較して約半分に実装面積が低減できたという。加えて,金属カバーによるシールド構造を採用して外来の電波などによる雑音の影響を抑えた。 

 サンプル価格は2000円。2008年8月に月産10万個の規模で量産を開始した。