左奥が学会の会場。右の建物は展示会場。
左奥が学会の会場。右の建物は展示会場。
[画像のクリックで拡大表示]

 シャープは,製造コストを50%削減できるウエーハの製造方法を発表した(2BO.3.1:New Wafer Technology for Crystalline Sillicon Solar Cell)。ベルトコンベアなどを使った自動化ラインを既に構築しており,「量産レベルの技術」(発表者)とした。

 製造方法は次の通りである。まず,溶解したSiに基板を接触させて,基板の表面にSiを付着させる。その後,付着したSiを剥がして得たシート状のSiの周囲をレーザーで除去して大きさを整える。レーザーで除去したSiは再び溶融して再利用する。発表では,動画を使って製造フローを示したが,付着したSiを剥がす手法は非公開とした。

 開発を始めてから10年で,外形寸法が156mm×156mmと大きく,1825cm2/分という高いスループットを実現した。ウエーハ1枚当たり8秒で製造できる。セルの厚さは300μmである。既存のキャスト法で製造した厚さ200μm程度のセルに比べて,製造コストは50%になるという。変換効率は2006年時点で14.8%を実現している。現在の変換効率の値は明かさなかった。42枚のセルで構成したモジュールでは,144Wの最大出力を得た。

この記事を英語で読む