Intel Developer Forumの二日目，最後の基調講演に登壇したのはSoftware and Solutions GroupのGeneral ManagerでVice PrsidentのRenee James氏だ。Intel社が直面するソフトウエア関連の課題は，コア数が増えることに伴うプログラミングの困難さである。これまでは並列処理の記述を支援するツールとして「Threading Building Blocks」といったライブラリや，「VTune」のような実行解析ツールを紹介することが多かったが，今回は新しいツール「Parallel Studio」を発表した。
Parallel Studioは米Microsoft Corp.の開発ツール「Visual Studio」に組み込んで利用する。「Parallel Advisor」「Parallel Composer」「Parallel Inspector」「Parallel Amplifier」といった複数のツールから成り立っている。Parallel Advisorはソースコードを解析して，並列化が効きそうな個所を指摘するもの。Parallel Composerはスレッド・ライブラリとコンパイラを並列化対応にするという。Parallel Inspectorは並列プログラムにおけるデバッグ・ツールである。Parallel Amplifierは性能解析ツールで，ボトルネックを発見するのに使うツールである。これらを使うことによって，「Visual Studioのユーザーでも，並列化プログラムを容易に開発出来るようにする」（James氏）という。製品化時期は2009年の早い時期を予定している。
基調講演ではこのほか，米DreamWorks社CEOのJeffrey Katzenberg氏を招いて3次元の動画を見せるデモを行った。DreamWorks社では「すべての映像を3次元動画で撮影することで，映像の表現の幅が広がる。音声が8トラックのテープ・カートリッジからCD，ディジタル・オーディオへと変わったように，2次元の動画も3次元へと変わっていく」（Katzenberg氏）。
