右のノート・パソコンと左のハブ(基板)などにおいて,Wireless USBによってデータを伝送した
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NECエレクトロニクスの「μPD720171」を使ったPCI Expressカード型のアダプタ
NECエレクトロニクスの「μPD720171」を使ったPCI Expressカード型のアダプタ
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実効速度で200Mビット/秒以上を確保できることをアピールした。右はネイティブ対応のMass Storageデバイスの試作品
実効速度で200Mビット/秒以上を確保できることをアピールした。右はネイティブ対応のMass Storageデバイスの試作品
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 NECエレクトロニクスは,同社のWireless USB用LSIを用いた無線データ通信の実演を,IDF Fall 2008の会場で披露した。6.3GHz~7.6GHzの周波数を使った,いわゆるハイバンドによる伝送デモのほか,ファームウエアの改善により実効的な伝送速度を200Mビット/秒以上に高めた試作システムなどを見せた。前回のIDFでは,130Mビット/秒程度だったという。

 実演に用いたのは,同社のホスト・コントローラ用LSI「μPD720171」を用いたPCI Expressカード型のアダプタや,同社のDWA(デバイス・ワイヤ・アダプター)用LSI「μPD720180」を用いたハブなどである。PCI Expressカードを挿入したノート・パソコンと,ハブを無線で接続し,動画像などをやりとりした。

 同社のμPD720171は,Intel社のWHCI仕様に準拠しており,ホスト側機器でいわゆるネイティブとして駆動できる。HWA(ホスト・ワイヤ・アダプター)を利用せずに済むため,伝送時のプロトコル変換などの無駄な処理が不要となり,実効的なデータ伝送速度を高められる。同社はこれまでもWHCI対応のホスト用カードを実演していたが,今回はWHCIのスケジューリングなどのファームウエアを改善することで,200Mビット/秒以上の伝送速度を確保できたという。「実効レートで200Mビット/秒以上ということは,有線のUSB 2.0と肩を並べることになる」(米NEC Electronics America社の説明員)。会場では,ネイティブ対応のMassStorageデバイスの試作品なども展示している。

 ハイバンド伝送の実演に用いた試作システムでは,台湾Realtek Semiconductor社のRFトランシーバICを利用した。利用した帯域は,いわゆる「Band Group ♯3」である。

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