TSUTAYA TVのトップ画面。画面を大きく3分割して中央に大きく「特集ページ」へのリンクを置く。この画像はスライドショー形式で変化する。左にはメニューを置く。ランキングやDVDのリリースなど,無料で得られる情報へのリンクが,目立つ場所にある。
TSUTAYA TVのトップ画面。画面を大きく3分割して中央に大きく「特集ページ」へのリンクを置く。この画像はスライドショー形式で変化する。左にはメニューを置く。ランキングやDVDのリリースなど,無料で得られる情報へのリンクが,目立つ場所にある。
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特集ページの画面。やはり大きな画像を使ってアピールする。無料で見られるインタビューや作品紹介などを配置する。
特集ページの画面。やはり大きな画像を使ってアピールする。無料で見られるインタビューや作品紹介などを配置する。
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動画トップの画面。「ミニ特集」的におすすめタイトルの説明へのリンクを中央に置く
動画トップの画面。「ミニ特集」的におすすめタイトルの説明へのリンクを中央に置く
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洋画の階層まで降りたところ。左サイドのメニューは独特のジャンル分けになっており,TSUTAYAの「棚割り」のノウハウが生かされているという。
洋画の階層まで降りたところ。左サイドのメニューは独特のジャンル分けになっており,TSUTAYAの「棚割り」のノウハウが生かされているという。
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TSUTAYAグループは2008年6月6日から,デジタル・テレビ向けの映像配信サービス「アクトビラ」で展開する「TSUTAYA TV」において,ハリウッド映画などのHD動画の有料配信事業に本格的に乗り出している。HDTV画質の映画をテレビで見る有力な手段の一つとして,ユーザーから注目されており,アクトビラ関係者からは同サービスの普及の起爆剤の一つと期待されている。デジタル・テレビに向けた動画配信という新たなサービスにどう対応したか,TSUTAYA TVを運営するTSUTAYA BB オペレーション・グループ・テクニカルチーム チームリーダーの下田誠氏に話を聞いた。

――TSUTAYA TVの画面を設計する際に,どんなことに気を使ったのか。

下田 全国で運営するビデオ・レンタル店舗で培ったTSUTAYAの強みを生かそうと考えました。例えば「コーナー組み」。店舗では,お客さんに認知してもらうために,その時々で旬なテーマやタイトルを目立つ場所にわかりやすく配置する工夫をしています。大量のタイトルをどう分類して棚に配置するかも大事です。TSUTAYAでは「棚割り」と呼んでいますが,論理的に整合性を優先したジャンル分けより「お客さんの気持ち」を考えた分類の方が効果的だったりします。例えば,「恋愛ドラマ」「アクション」といった感じです。あとは「韓流」とか。こうした「コーナー組み」「棚割り」のノウハウを,TSUTAYAは何年もかけて試行錯誤しながら積み上げてきました。

 TSUTAYA TVのトップ画面では,大きな画像でおすすめのタイトルを表示するようにしています。これはコーナー組みの考え方を参考にしています。トップ画面のおすすめタイトルは,スクリプトを使ってスライドショー形式で切り替わっていく形にして,いくつかの特集を順繰りに見せるようにしています。どれかを選択すると,その特集ページに移ります。ここでは雑誌の特集記事のようなイメージで,タイトルに関する情報を伝えるようにしています。

 テレビ向けのサービスはパソコン用のWebサイトとは違うのでちまちま情報を詰め込むより,要素を減らしてすっきりと見せた方が良いと思っています。そこで,どのページでもなるべく大きな画像を使うようにしています。画像サイズやスクリプトの複雑さはアクトビラの仕様上で許される上限ギリギリまで使っています。本当はもう少しメモリが使えるといいなと思うし,パソコン向けのWebなどでは当たり前のFlashも使えるとありがたいんですけれども,無いものはしょうがないですからね。

――特集ページで紹介した以外の動画タイトルについてはどのように訴求していくのか。

下田 特定のタイトルを探して来るお客さんのためには,検索ページを用意しています。あまり凝った作りではなく,普通のソフトウエア・キーボード方式です。というのは,そういったニーズには今のところとはこれで十分と思っているからです。

 TSUTAYAの実店舗に訪れるお客さんの多くは,必ずしも今夜借りるタイトルを決めているわけではありません。「なにか面白そうな映画はないかな」と思ってやってくる人の方が圧倒的に多い。もちろんなんでも良い訳ではなく,それぞれのお客さんなりに好みのジャンルがある。そういったお客さんの気分や嗜好に合うように,ジャンル分けをしたり,情報提供をしたりするノウハウがTSUTAYAにはあります。TSUTAYA TVでも利用者の気持ちは似ていると思うので,こうした考え方を応用しているわけです。

 左サイドのメニューがその一つの例です。トップの画面には「ランキング」「ニューリリース」といったメニューがあります。1階層下がると,今度は「新着リスト」「まもなく終了リスト」「カミングスーン」などが現れる。さらにもう1階層下がるとジャンル分けが出てきます。ここでは「洋画アクション」「アジアTVドラマ」「海外TVドラマ」といった感じに分けています。この辺りは店舗の棚割りの考え方を参考にしています。

――トップ画面にBlu-ray Discの説明記事へのリンクが置かれている。配信サービスにとってBlu-ray Discはライバルではないのか。