ハードウエアとソフトウエアの両方をオープンソースの形で公開して,携帯電話機を開発をしている台湾Openmoko, Inc. は,同社が開発した携帯電話機「NEO 1973」と「Neo FreeRunner」の回路図を公開すると発表した。Neo 1973は初期の実装で,主として開発者向け。Neo FreeRunnerは一般ユーザーでも利用できるとしている(Tech-On!の関連記事)。今回の公開によって,同端末に新しい機能や外部装置,センサを追加したり,デバッグを行うために不可欠な情報を手に入れられるようになるという。

 今回公開する回路図には,GPS用チップの回路図も含む。Openmokoの携帯電話機は,スイスu-blox AGのGPSチップを搭載しているが,u-blox社はNeo FreeRunnerに搭載されているGPSチップの回路図をすべて公開することを承認した。

 回路図は,同社のWebサイトなどに掲載する。米Creative Commons社が権利の保護を行う。Creative Commons社は,創作活動の革新や著作物の柔軟な再利用を推進する「Creative Commons Public License(CCライセンス)」の普及を進める非営利企業である。

 Neo FreeRunnerは,動作周波数が400MHzのARMコアのマイクロプロセサを搭載する携帯電話機。ディスプレイには,640×480画素のタッチ・スクリーンを採用し,GPSや無線LAN機能などを備える。Openmoko社は2008年7月4日にNeo FreeRunnerを発売した。発売後1週間以内に初期の販売分は完売したという。価格は399米ドル。既に製品の筐体のCADデータを公開している。