日本通信代表取締役社長の三田聖二氏
日本通信代表取締役社長の三田聖二氏
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 日本通信は2008年8月6日,NTTドコモのW-CDMA網と日本通信のネットワーク網の相互接続が完了し,相互接続協定を締結したと発表した。同月7日より販売を開始する端末「b-mobile3G」で利用する。同社によると,「世界で初めての相互接続によるMVNO(仮想移動体通信事業者)」(代表取締役社長の三田聖二氏)とする。

 これまでのMVNOはホールセール型で,バックエンドの回線を含めて通信事業者から借り受ける形で実現していたという。しかしこの方式では,「回線事業者の認可を受けずにMVNO独自の端末を導入するなどができず,MVNOの自由度が低い」(三田氏)。相互接続型は,有線のネットワーク・サービスではごく一般的な形態で,例えばインターネット・サービスプロバイダ(ISP)と回線事業者のような関係である。携帯電話サービスでは「世界的に固定網とは違うと解釈されていたため,電気通信事業法の適用が遅れて,ISPのようなサービス事業者が存在できなかった。法整備などによって,日本通信の設立から13年かかって,ようやく本来当たり前のビジネス・モデルを実現できるようになった」(三田氏)。

Android商用化も世界初を目指す

 相互接続型のMVNOは,キャリアによる垂直統合モデルから独立しており,海外のメーカーが自由に参入できる構造になるという。当面提供するのは中国ZTE社(中興通迅)のUSB接続型のデータ通信専用機を使ったサービスだが,今後はスマートフォンや通信モジュール内蔵パソコン,MID(mobile internet device),Android搭載機なども手がけていくという。「Androidのようなオープンなインターネット接続機能を持つ端末を活用できる無線ネットワークは,世界でも日本が先行している。しかし日本の携帯電話事業者は,Androidのようなオープンな端末は好まないだろう。そういう点を鑑みると,世界で最初にAndroid搭載端末を商用化するのは日本通信になるだろう」(三田氏)と語った。

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