ニコンは,液浸ArF露光装置の生産能力を拡大する(発表資料)。熊谷製作所(埼玉県熊谷市)と栃木ニコンプレシジョン(栃木県大田原市)に生産ラインを1棟ずつ増設し,生産能力を現在の年間40台から90台まで引き上げる。稼働開始は2009年12月の予定。投資額は建物と生産設備を合わせて2008~2010年度の3年間で約350億円を見込む。

 液浸ArF露光装置はこれまでNANDフラッシュ・メモリ製造に採用されるケースが多かったが,今後はロジックICやDRAM向けにも採用が進んでいくとみられる。ニコンは,ロジックICまたはDRAM分野の半導体メーカーから,液浸ArF露光装置を中心とした大口の引き合いがあったため,今回の生産体制増強を決めたという。同社は液浸ArF露光装置を2008年6月までの累計で26台販売してきた。2008年度は25台の販売を見込んでいる。