市場調査会社である韓国Displaybank Co., Ltd.は,2008年上半期のPDPモジュールの世界出荷枚数が対前年同期比54.0%増の724万台だったと発表した(発表資料)。直前期比では3%減少しているものの,例年下半期の方が出荷枚数が多いことを考慮すると,好調を維持しているという。売上高は対前年同期比14%増の32億3200米ドルで,直前期と比べると17%減少した。平均販売価格は対前年同期比25.8%減の446米ドルだった。

PDPモジュールの世界出荷枚数の推移
PDPモジュールの世界出荷枚数の推移 (画像のクリックで拡大)

 直前期比の売上高の減少率が出荷枚数の減少率より大きくなった要因は,PDPの価格の下落によるという。PDPモジュールの販売価格そのものが下落していることに加え,32型モジュールの出荷が増加したことによる平均販売価格の下落が響いた。PDPモジュールの平均販売価格の下落率は2006年下半期以降,直前期比で10%を上回る状態が続いている。

 PDPモジュールのメーカー別出荷枚数シェアを見ると,首位は依然として松下電器産業。32%のシェアを占めた。同社のシェアは,例年下半期に35%程度まで上昇することから,2008年下半期のシェアも上半期より増加するとみる。2位は同率だった韓国Samsung SDI Co.,Ltd.と韓国LG Electronics Inc.。いずれも31%のシェアだった。4位は4%の日立プラズマディスプレイ,5位は2%のパイオニアである。

 2008年下半期の総出荷枚数は,例年通り,直前期に比べて増加するとDisplaybank社は予測する。ただし,液晶パネルの価格下落の影響や,PDPモジュールを使ったセット機器市場の不透明化によって,PDPモジュールの価格下落はさらに進むとみる。この結果,各メーカーの収益は悪化し,2008年初頭に各社が発表していた収益性の回復は困難になるとする。