米DisplaySearch社は,2008年第2四半期における大型TFT液晶パネルの世界市場調査の結果を発表した(発表資料)。出荷枚数は,対前年同期比23%増,対直前期比6%増の1億1790万枚だった。四半期ベースでは過去最高の出荷枚数という。当初は直前期比で5%増と予測されていたものの,一部顧客での大幅な需要増加によって,この予想を上回った。

 ただし,機器ブランドにおける在庫が増加したことによって,パネル価格は2008年6月から急速に下落を始めた。その結果,機器ブランドからの注文が減り,パネル・メーカーの在庫も増えているとする。DisplaySearch社によれば,現在の最優先事項は在庫と生産量の調整で,2008年第3四半期は在庫調整のための重要な期間という。第3四半期に生産調整と価格下落を通して,在庫調整の問題を解決できれば,年末商戦に向けて最終製品の需要が伸びることもあり,第4四半期の出荷枚数と価格は楽観的に捉えられるとする。

 用途別の出荷枚数を見ると,最も伸びたのはノート・パソコン向け。出荷枚数は対前年同期比37%増の3720万枚で,過去最高を記録した。この用途では,15.4ワイド型がノート・パソコン向けの出荷全体の50%以上を維持している。しかし,15.6ワイド型や16ワイド型,16.4ワイド型,18.4ワイド型といった画面のアスペクト比が16対9の製品の出荷も伸びており,ノート・パソコン向けの出荷数全体に占める割合は直前期の1%から3%に増加した。

大型TFT液晶パネルの用途別の出荷枚数
大型TFT液晶パネルの用途別の出荷枚数 (画像のクリックで拡大)

 出荷枚数が最も多いモニター向けは5250万枚だった。モニター向け液晶パネルは,モニターの最終製品向けに出荷されるだけでなく,最近は液晶テレビに使用される機会も増えているという。特に19ワイド型のパネルの使用が多いとする。モニター向けパネルの中で,出荷枚数が多いのは画素数がSXGA(1280×1024画素)の19ワイド型と17型で,それぞれモニター向けパネルの出荷枚数の28%と16%を占める。

 テレビ向けの出荷枚数は,対前年同期比27%増の2500万枚だった。いわゆる「フルHD」対応パネルの割合は依然として高く,テレビ向けパネルの出荷枚数全体の29%を占める。直前期の23%からも6ポイント上昇した。40型以上のパネルにおけるフルHD対応品の割合はさらに高く,対直前期比9ポイント増の73%だった。また,大型化も進んでおり,40型以上のテレビ向けパネル全体に占める割合は,対直前期比4ポイント増の31%となった。

 メーカー別の出荷枚数シェアを見ると,首位は韓国Samsung Electronics Co., Ltd.で,21.7%を占めた。直前期からは1.2ポイント増加している。2位は韓国LG Display Co., Ltd.の20%で,3位は台湾AU Optronics Corp.(以下AUO)の18.5%。AUOは7四半期ぶりに20%を下回った。4位は,台湾 Chi Mei Optoelectronics Corp.の15.8%だった。